【飲食店の内装について】内装デザインの効果や工事の進め方

内装は飲食店の雰囲気を作り出し、顧客満足度やリピーターの増加などに大きな影響を与えます。清潔感はもちろんのこと、快適な空間の構築は飲食店のビジネスを成功させるためには重要です。
飲食店の内装は機能性やデザイン性だけではなく、提供しているメニューに合わせた雰囲気を出すことで顧客満足度を高めることができます。それを実現するためには事前にしっかりとしたコンセプトとプランを作成して専門業者の担当者に伝えるのはもちろんのこと、実際に形にするためには必要な資材の調達から現場での優れた技術力までの総合力が試されます。

飲食店の内装デザインの効果

飲食店

飲食店を訪れるお客様の多くは安心安全の食材を使用して作られたおいしい食べ物や飲み物を楽しむだけではなく、店内の雰囲気も含めた体験を求めて来店します。また、ここ数年ではSNSの台頭もあり、珍しいデザインやインパクトのある店舗の写真を撮影して投稿することを楽しむユーザーも増えており、もしもここでアクセス数が飛躍的に伸びることができれば多くの人々にお店の存在を知らせることができ、爆発的な人気と来客数の増加で大きな収益を上げられる可能性を秘めています。そのような事情から、今や飲食店の内装は清潔感やコンセプトデザインだけではなく、総合的なポテンシャルが求められています。

一方、機能性の面ではエントランスから席まで案内し、オーダーされた食べ物や飲み物をテーブルまで届け、飲食を楽しんでもらった後にはレジまで行って会計を済ませてもらうというプロセスがあります。ここまでの一連の動作がスムースに行われるように導線を確保し、回転率を高めることができれば売り上げも向上します。お客様にそのシステマティックな流れを快適に感じてもらうことができたなら顧客満足度も上がり、次も気分よく飲食を楽しみたいと考えて再び来店してもらえるリピーターや常連となってもらったり、その満足感を口コミで広げてもらえるならば新規顧客の開拓もできます。

このように飲食店の内装デザインでは、顧客に提供する飲食のおいしさ以上の体験をさせられるのと同時に、業務をスムースに完結するための導線による機能性を両立できるなど、さまざまな効果をもたらします。そのような意味では飲食店の内装デザインは疎かにすることはできず、本腰を入れて取り組みたいところです。

飲食店の内装工事の進め方

飲食店

飲食店の内装工事では、既に店舗として利用されていた物件に手を加える射抜き工事と、全く別のジャンルの物件を一から店舗に変えるスケルトン工事で進め方は大きく異なります。射抜き工事では以前に飲食店だった店舗を利用する場合には厨房や空調、食器を収納する戸棚などが既に備えられており、それらを活かしてデザインを考案します。

カウンターやテーブル、椅子などもあり、導線も既に確保されているなら大幅に変更せず、新たなコンセプトに合わせた内装に注力できます。一方、スケルトン工事の場合は必要な設備の設置場所や、店内のレイアウトなど全ての要素を勘案してプランニングをしなければなりませんが、手間がかかるのと引き換えに自由自在にデザインできるのもメリットです。

賃貸の物件やテナントによっては設置する機器や場所など許可や届け出が必要な場合もあり、事前に承諾を取って置けば安心です。業者と打ち合わせて設置する機材や壁に貼り付ける部材の素材や色、空調や照明の機種などを選び、プランの策定が完了したら業者の建築士により設計が行われた後、見積もりが出されます。ここで契約を決めれば実際に内装工事が開始され、後は引き渡しの日を待つだけです。

もちろん実際に工事をしてみなければ分からないことも多いため、現場を確認して修正するところがあれば担当者に相談して再設計や再見積もりをする場合もあります。理想の飲食店を作りたいなら決して妥協はせずに、必要に応じて徹底的にこだわりたいところです。引き渡し日が確定すればお店をオープンしたことを多くの人々に伝えるために宣伝広告などを行い、来るべきその日に備えます。

飲食店の内装工事費用に影響する要素

飲食店

飲食店の内装工事の費用は、使用する部材の点数や作業工程の数が大きな影響を与えます。したがって、範囲が小さいほどリーズナブルになり工期も短くなります。入居する物件が過去に飲食店を経営しており、厨房やカウンターなどがそのまま利用できるならその分の経費は浮きますが、異なるジャンルのお店だったなら一から設計したり機材を用意しなければならず、おのずと工事費用は高くなります。

デザインの面では、例えば和食レストランを引き継いで次も同様のジャンルのお店にするなら内装を活かす方法もありますが、コンセプトから大きく逸脱する場合には全面的に作り直す必要があります。顧客ターゲットの年齢層も重要で、年配者なら比較的穏やかな雰囲気を求める一方で、若年層はポップで派手な雰囲気を求める傾向があります。

特にSNSでの発信に期待する場合には派手なビジュアルを持つ壁面のデザインだけではなく、奇抜なオブジェに加えて照明や音響にも凝るならば当然そこに費用は発生します。既存の設備を大幅に変更する際に解体が必要な箇所があれば、その技術料だけではなく発生した廃棄物の処理費用もかかります。ここであまりにも費用が発生する場合には一定の審美性を妥協して、解体をしない範囲でデザインを考えるケースもあります。

その一方で一切の妥協をしたくないなら、高額な費用がかかってでも追及したコンセプトを徹底的に実現されるのも理想のお店作りのためには大切な要素です。飲食店のビジネスで成功をおさめるにはコンセプトを的確に定めて、それに相応しいデザインを構築させるための資材費や工費について費用対効果も勘案しながら考えるのが大切です。

飲食店の内装デザインの注意点

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飲食店の提供するサービスは商品を売り切るだけの一過性のものとは違い、何度も足を運んでもらって飲食を楽しんでもらうことが重要です。そのため、内装デザインには細心の注意を払って一時を快適に過ごしてしてもらうことが大切です。

入店した顧客はまずエントランスへ行き、ウェイターやウェイトレスの案内を待ち、席へと誘導されます。エントランスは最初に目に映る場所で、出入り口からも見えることもあります。ここでの印象が入店してメニューを注文するに至るまでの可否を判断する重要なファーストコンタクトになるシーンで、顧客を歓迎して迎え入れる雰囲気作りが重要です。つづいて案内された席は清潔感があるのはもちろんのこと、飲食をする間を快適に過ごせるように、お店のコンセプトに合わせてラグジュアリー感を演出したり、ポップで気軽な雰囲気を作り出すなどします。

また、色は人間の味覚に影響を与えるため、例えば恋色を見れば味が濃く感じ、逆に薄い色ならば味が薄く感じる習性があります。提供しているメニューに合わせて、どの色が最もおいすく感じる心理に作用するのかを考慮します。そして何より、入店から飲食を楽しみ、会計を済ませて帰宅してもらうまでの一連のプロセスをスムースに行えるような導線の確保が鍵を握っています。

待ち時間が長くなれば不快感が増し、せっかくおいしい飲食を楽しんでもその印象は薄れてしまいます。そのため、一連のプロセスをスムースにすることで快適だと感じさせれば、飲食中も会計後も満足感が持続し、リピーターや常連になってもらえる可能性を高めます。飲食店の内装デザインは注意点に配慮することで、業績アップに繋がります。

飲食店の利用客は味覚だけではなく、視覚からも大きな影響を与えられることから、内装のデザインは重要な要素を占めています。優れた内装のデザインで口からはおいしく心も快適にすることで満足度が高まり、地域の人気一番店に成長させることも夢ではありません。